治験に参加するためには様々な条件をクリアしなければなりません。
その中でも一度治験を受けると休薬期間といって3か月程度は他の治験に
参加することができない決まりがあります。
これは治験で摂取した薬が体内に残っていると、治験データが正しく取れない可能性が
あることからの決まりです。

では治験薬とは別の薬をかかりつけの病院から処方されて服用している場合は、
治験を受けることはできないのかどう、これはケースバイケースと言えます。
服用している薬を治験薬と併用することで、治験で得られる効果に影響があれば
参加することはできません。
しかし併用することで問題なしとなった場合は、治験参加も可能になるケースがあります。

ただ、多くの場合で薬を服用していると、治験の最中に得られた症状やデータが
治験薬によるものなのか、服用している処方薬によるものなのかの判断ができなくなるので
併用したままの治験参加は厳しいと言っても良いでしょう。
よほど特殊な治験でないかぎりは、処方薬との併用で治験を進めることは難しいと思います。

稀に処方薬を服用していることを黙ったまま治験に参加する人がいますが、
これは絶対にやってはいけないことです。
黙ったまま参加して問題が発生しても、その責任は虚偽の報告をしたあなたに責任があり
治験を実施している製薬会社などには責任がないとされ補償など受けられなくなりますし、
将来に渡って治験に参加することができなくなります。
良くニュースで「○○のメカニズム解明により、新薬開発に繋がる可能性が出てきました」
といったようなフレーズを耳にすることがあるでしょう。
この新薬開発に繋がる可能性というニュースを度々耳にするわけですが、
それではメカニズムが解明されてから新薬が市販されるまでにどれだけの年数が掛かるのか、
そしてそれはどれぐらいの確率なのかを見てみましょう。

・メカニズム解明に有効な物質が新薬候補として最適化されるまで
メカニズムが解明されても、その解明に有効な物質が見つかるかどうかですが、
まず見つかる可能性は約50%程度と言われています。
メカニズムを解明しても、その半分ぐらいしか有効な物質が見つかりません。
そしてここまで来るのに、約4年半かかります。

・人を対象とした臨床試験を開始できるまで
対象となる物質を使い、様々な生物で毒性や薬効などを調べて、
人を対象としてリスクが少ないと判断されるタイミングです。
ここに到達する割合は30%程度で、物質が最適化されてから1年程度経過します。

・臨床試験をパスし、承認されて市販されるまで
臨床試験から認証されるまでの割合は4%程度と狭き門になります。
そして臨床試験開始から承認までに約8年が経過し、トータルでメカニズム解明から
13.5年を経過したことになります。

これは平均的な年数を表していますので、ケースによってはもっと長かったり
短かったりしますが、これだけの時間が掛かるわけです。
そして新薬として承認されるのはたったの4%となっており、非常に確率として
低いことがわかります。
治験を受ける場合、治験についての詳細事項は医師から説明を受けます。
説明を受けて内容を理解し、納得同意した人は同意書にサインして治験へと進みます。
その説明時に渡される説明資料が治験の同意書です。
同意書には様々な事項が記載れており、不明点があれば質疑応答の時間に
質問することができます。

では、同意書にはどのような事が書かれているのか見てみましょう。
「治験同意書の内容」
・治験を行う目的
・治験薬の使用方法
・治験で検査する内容
・治験に参加する期間
・使用する薬により期待される効果
・治験により予想されている副作用
・治験からの離脱について常に可能であること
・治験離脱による被験者への不利益はないこと
・副作用により要治療となった場合、治療費などの補償請求を被験者ができること
・治験で記入したカルテ、検査結果などの医療記録に関して、製薬会社、厚生労働省、
 治験審査委員会の担当者が閲覧確認すること
・治験担当医師の氏名
・治験担当医師の連絡先
・治験に関する問い合わせ先

これらの内容が同意書には記載されています。
前述のように医師から内容説明を受け、同意すればサインして治験を受けます。
内容はなるべくわかりやすく書かれていますが、専門用語なども見られますので
分からないと思ったら質疑応答時間に質問しましょう。
どのような些細な事でも質問して問題ありません、他の人も同じように疑問に思っても
そのままスルーしてモヤモヤしたまま治験を受けることにもなりかねません。
スッキリした状態で治験に臨みましょう。
治験関連施設で働いている人の中には元看護師であった場合が多くあります。
それは看護師で手にしたスキルなどが治験関連の仕事で役立てることができる、
という前提があるからだと言えるでしょう。
そのため、看護師が転職して治験現場で働いている人が多いのです。

看護師から転職するぐらいですから、仕事内容は看護師の時と比べると
夜勤などが無いことを考えると「楽」なのではないかと思うこともありますが、
実際には治験関連の仕事というのは、看護師と同じがそれ以上に忙しいと言えます。

治験を受ける人、製薬メーカー、医師などの治験に関わっている人の間に入って、
治験をスムーズに進めていく事が求められるわけです。
つまり看護師時代の経験が活かせるというのは、治験を受ける人に対しての
ケアの部分で言われているわけです。
しかし実際の作業としては看護ではなく、被治験者からの問い合わせへの回答だったり
治験遂行に必要な書類の作成、整理などが大半を占めています。

これらの作業というのは看護師時代の実務とは大きく異なるものであり、
慣れないうちは非常に苦労するのが特徴と言われています。
また、ある程度慣れてきたとしても、治験は毎回参加者が異なりますし
製薬メーカーや医師、実施する病院なども違ってきます。
そういった異なる環境のもとで、常に結果を出して行かなければいけないというのは、
やはりルーティンになりそうでならない仕事という意味では看護師に比べると、
違った意味で忙しいと言っても良いでしょう。
治験はモノにもよりますが、数日から長い場合は数週間に渡って
施設に缶詰めになり投薬、採血、採尿、血圧測定などを行います。
そういった治験で女性の募集が少ないのには理由があります。

まず女性は月に1度の月経があります。
人によっては痛みが強かったり発熱を伴うこともあり、緩和するために薬を飲む人もいます。
加えて採尿する際には月経血が尿に混在する可能性が高くなります。
これらの症状や減少は治験薬の副作用と多くの部分で重複してしまうのです。
治験薬によって引き起こされているのか、それとも月経によるものなのか
それを判断するのは難しいのです。

また治験開始時には妊娠していないと判断しても、時間の経過とともに
妊娠の兆候を示す可能性もあります。
これらの理由から投薬を伴う治験の多くは男性のボランティアによって行われています。

逆に女性特有の病気に関する治験においては、女性を対象にする治験もありますので
一概に全ての治験で女性をシャットアウトしているわけではありません。
女性が治験に参加できないのは差別だという人もいますが、これは避けることのできない
問題であり女性を許容することによって治験に遅れが出たり、正しいデータが取得できず
安全性が損なわれることもあるので仕方のないことです。

男女には骨格から内臓、生活サイクルに至るまで性差というものが存在しており、
それを考慮することは差別でもなんでもありません。
逆に考慮しないことによるリスクを放置する方が、無責任と言えるでしょう。
治験は参加することで負担軽減費目的で稼ごうとする人が殆どですが、
中には参加が目的ではなく健康チェックのために治験を利用する人がいます。
治験は事前検査として健康診断のようなチェックを行います、
その結果次第で治験に参加できるかどうかが決まります。

健康な人を対象にして治験を行うようなケースでは、結果に問題があれば
参加することはできません。
そのため、自分の健康状態に問題があるかどうかを厳しくチェックしてくれる
という意味では治験は最も効果的かもしれません。

ただ治験の本来の目的は健康チェックではありませんので、そのような目的で
参加することは禁止されています。
それでも一定数は健康診断代わりに治験に参加する人がいるのは事実です。

検査にパスすれば治験に参加することになるわけですが、最終的な合意については
検査後に行うことになりますので、その段階で拒否することは可能です。
つまり最初から治験そのものに参加する意志はなく、事前検査のみで終わることを
前提をしていることが分かります。

本当に治験に参加したいと考えている人からすれば迷惑な存在でしかなく、
治験を主催している医療機関にとっても招かれざる人に違いはありません。
また人によっては治験による薬剤の投与で健康になりたいと考える人もいますが、
治験を治療目的に利用することも推奨される行為ではありません。
治験は社会貢献を目的としていることを忘れてはいけないのです。
治験は男女ともに様々な年齢の人が集まってきます。
中には男性のみ、女性のみ、高齢者限定といった治験もありますが
多くの場合は男女で年齢層も20歳~50歳などとなっています。
そうなってくると気になるのが異性との出会いがあるのか?
もし出会いがあるなら何とかものにできないだろうか?と考えるでしょう。

不純な動機ではなく出会いを求めることは何もおかしいことではありません。
数回の通院治験で出会った異性とその後も連絡を取るというのは難しいかもしれませんが、
長期にわたって入院するような治験であれば何度も顔を合わせることになりますし、
その中で会話をする機会も増えてきます。
そうなれば、連絡先を交換するなどして治験終了後に個別に会うこともあるでしょう。

そういう意味では治験で異性と出会うことは十分に考えられます。
というよりは長期間に渡って男女が同じ場所に居れば、必然的に恋愛関係に発展することは
生きている以上普通にあることです。
普通のアルバイト以上に親密な会話をする機会に恵まれていますので、
下手をすれば出会い系よりも出会いがありカップルになるチャンスは高いと言えます。

ただ注意すべきは下心丸出しで異性に近寄って行くような事は避けた方が良いでしょう。
ナンパ目的で治験に参加しているとなれば、クレームになることもありますし
場合によっては治験途中で脱落させられることもあるからです。
あくまでも治験に参加することが大前提だということを忘れてはいけません。
普段、何気なく使っている化粧品やシャンプー、石鹸、殺虫剤など身の回りにある
薬品に近い商品というのは、動物実験によって生み出されたものだという認識は、
殆どの人が持っていないと思います。

しかしこれらの商品を開発するためには、動物実験は欠かせないものとなっています。
一番知られているのはマウスによる実験ですが、動物実験とはマウスだけではありません。
人間のDNAに近いとされてい猿もそうですし、犬、猫なども動物実験に使われています。

動物実験は残酷で命を弄んでいると言って否定する人も世の中にはいます。
動物実験を行わずに開発された商品も少なからず存在するので、そういう商品を
使って行こうという運動もあります。

ただ、全ての商品が動物実験なしで成り立つのか?というとそうではありません。
医薬品などは動物実験を行わなければ、どのような効果があるのか分からないものばかりです。
いきなり人に使用して予想外の副作用が出てしまっては困りますよね。
動物実験の必要性が無くなるのが一番良いのは言うまでもありませんが、現時点では
動物実験なしに社会は動かない、新しい薬や商品の開発を行うことができなくなります。

賛成、反対、賛否両論あって当たり前の内容ですが、どちらが正しいかということは
断言することができません。
どちらも正しくて、どちらも間違っていると言えます。
言えることは、人の生活というのは動物実験によって多くが支えられているという事です。
そのことに目を向けずに、動物実験の賛否を語ることはできないでしょう。
普段何気なく飲んでいる薬、その薬を開発するのにどれぐらいの費用が
掛かっているか考えたことはあるでしょうか?
新しい薬を開発するには10年以上もの長い時間が必要になるだけでなく、
それに比例するように費用が掛かってしまうのです。
一般的な新薬開発には数十億から多ければ数百億円もの費用が掛かるとされています。

これは途中で新薬として開発できないと判断した場合でも、それ相応の費用が掛かるので
新薬として認められる薬としての開発費以外にも様々なお金がかかっているのです。
数百億円という数字を見て驚くのは、そんなにお金を掛けて赤字にならないのか?
ということです。

新薬として承認されると、日本中だけでなく世界中で販売されることになります。
それぞれの国が承認することが前提ですが、日本で承認された薬は意外と早く
海外でも承認されていることが分かっています。
そうなると開発に100億円かかっても、1年~2年程度で元が取れます。
そして薬はその後も売れ続けますので、黒字になって行くわけです。

薬の売り上げの多くは次の新薬開発に使われていきます。
このように新薬の売り上げが次の新薬の開発費用になることで、多額の費用を
捻出することができているわけです。
だからこそ、新薬として承認された薬というのは医薬品メーカーにとって
生命線とも言える武器になるのです。
何気なく飲んでいる薬も開発には数百億円もかかっていると思うと、
ちゃんと決められた飲み方をしなければと思うのではないでしょうか。
新薬開発の成功率は無茶苦茶低くてビックリしました。
新薬開発に多額の資金がかかることは知っていましたが、その成功率は何と数パーセント以下です。
全く新しい薬を開発するとなれば、幾つものフェーズを通過していく必要があります。
まず、何かの病気に対する効果を発揮する物質が見つかって、薬として活用できる可能性が約半分です。
その期間は4年~5年かかると言われています。

次に治験段階に進める割合は35%になります、ここまでで6年近く経過しており
その治験で承認審査に合格するまでの確率は4%以下になります。
ここまでにかかる時間は10年~15年ほどになります。
治験まで進めても、その結果で重篤な副作用が見つかるなどして承認されない薬が大半です。

この結果から見ても新薬として成功させることの難しさが伝わってくるでしょう。
そして治験がどれだけ重要かが分かります。
治験に進むのは全体の3割程度になりますから、治験を合格できるかどうかが新薬として
成功するかどうかの分かれ目となるわけです。
だからこそ治験をしっかりと行い、正しいデータを得る必要があるわけです。

また治験に参加するボランティアがいるからこそ、新薬開発が出来ているわけで
人体実験などという根も葉もないレッテルを張る人がいるのは理解しがたいです。
今の社会があるのは新薬開発が行われてきた結果であるとも言えますから、
治験を否定する人はそれらを享受していることを忘れているのではないでしょうか。
兎に角、新薬開発がこれほど難しいものであること、費用が掛かることなどは
薬を飲む際に少しはありがたみを感じてもいいのかもしれません。

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