治験運営機関や病院などで使ってはいけないNGワードがあります。
その一つが「治験バイト料」という単語です。
治験を行うことで得られる報酬のことを治験バイト料と呼ぶ人が多いのですが、
正しくは負担軽減費という名称となります。

どうしてNGワードなのか、それは治験に参加することはボランティアだからです。
バイトなどの役務ではなく、あくまでもボランティアによる治験のため
バイト料ではなくボランティアとして参加してもらった際に発生した身体的、精神的な
負担を軽減するための費用を差し上げますという建前なのです。

ですから、治験バイト料という言葉を病院や治験運営機関などで発言するのは、
NGワードとして扱われているわけです。
バイトではない、仕事でもない、ボランティアであって、報酬は副次的なものである。
そういう考えの元に治験参加者は集っているとされています。

お金が欲しくて治験に参加している人からすれば、ボランティアという建前があっても
結果的にはバイト感覚になってしまうのは避けられない事です。
ただ、それをおおっぴらに発言することは控えたほうが良いでしょう。

治験=社会に貢献しているという意識を持って参加してほしい、そういう風に
治験実施者は考えていますしそういう指針のもとで行われています。
繰り返しになりますが、あくまでもボランティアであり仕事ではないということです。
治験バイトに応募したいんですけどと言っても取り合ってくれないのはそのためです。
加熱式タバコのiQOSは日本でも利用者が増えており、
有害な煙が出ないということで今後も増加が見込まれています。
そんなiQOSですが、アメリカで行われたフィリップモリスによる
iQOSの臨床試験でいくつかの不備があったと元社員が指摘しています。

例えば、臨床試験の被験者に対してインフォームドコンセントの手続きが
取られていなかったために試験が中止になったり、タバコに関する知識が
十分でない医師が治験の検証を行っていたという内容になっています。
これに対して適格な資格のある医師によって行われ、FDA調査官による
調査を受けたとフィリップモリス側は反論しています。

実際のところ臨床試験がイカサマだったのかは不明ですし、既に承認を受けており
日本でも販売が許可されているわけです。
もし臨床試験にイカサマがあれば、有害物質が従来の紙タバコよりも少ない
としているiQOSの根拠が崩れてしまうことになります。

科学者がこのような指摘を行うということは、何らかの問題を抱えている
という事に他なりません。
またiQOSは有害物質の排出が少ないとされていますが、EUが行っている
調査では有害物質を除去出来ていないという報告もあります。
そういう意味でも、臨床試験でイカサマとまではいかないにしても、
不十分なところがあったのではないかと推測できるでしょう。

iQOSであれば有害ではないという考えは、少し踏みとどまった方が
良いのかもしれません。
臨床試験と治験どちらも似たようなイメージがありますが、
両者の違いとはいったいなんなのでしょうか。
この違いを知らないままに、治験だと思っていたら臨床試験だった
またはその逆になることも考えられます。
両者の違いについて見てみましょう。

・臨床試験
患者あるいは健康な人に対して行う「治療を兼ねた試験」を意味します。
ただし、新薬の開発目的には限っていないことが特徴で、薬そのものの
効果を追跡調査したり、既存の薬の別の効果を調査確認するといった、
治療を伴う形式で行う試験のすべてを指しています。
なお、厚生労働省への事前届け出は必要のないケースが多いです。
治療をメインにしていますので、費用が発生すると思っていいでしょう。

・治験
承認されるまえの薬剤について、患者あるいは健康な人に投与し
安全性や効果の有無について確かめる試験のことです。
「新薬開発」の為に「治療を兼ねた試験」を指します。
厚生労働省への事前届け出が必要になります。
治験は治療がメインではありませんので、費用は発生しません。

このように臨床試験と治験とでは、新薬開発目的に限っているかどうかが
大きな違いと言えるでしょう。
そして治験の方は、未承認の候補薬剤を使っている点がポイントです。

つまり、治験は薬の開発において最終段階に差し掛かっており、
実際の効果、安全性を確かめるために行うわけです。
しかし臨床試験はそれに限ったものではなく、承認された薬剤でも
効果を確かめるために使われる場合は、臨床試験となります。
そして必ずしも新薬の開発に結びつくとは限りません。
ゲノム医療とは、DNAを解析し遺伝子異常が見つかった場合に
その遺伝子異常に効果的な治療を行う事を意味しています。
特定の遺伝子に異常があれば、がんにかかりやすいなどの診断ができたり
発病前に予防処置を行うことができます。
つまりゲノム医療は予防医学を前提としたものも含まれているのです。

がん患者の多くは何らかの遺伝子異常を抱えていることが分かっていますが、
その遺伝子治療を行うための薬は殆どが試験中で承認されているのは僅かです。
しかも現在では、その試験薬を投与するのにも何十万というお金が必要になります。
これから先、ゲノム医療が進んでいくことによって、薬がどんどん承認されれば
がん患者の多くが抱える遺伝子異常への治療が進むことでしょう。

がんを発症するまえに遺伝子異常がわかれば、予防処置を取ることができますし
発症しても適切な治療を進めることができれば、医療費全体の軽減にもつながります。
医療費は患者を経済的に困窮させるだけでなく、国の財政をも圧迫しており
今後は更に増えるであろうがん患者に対して効果的に治療ができることは、
経済的な面でも意味があると言えるのです。

日本におけるゲノム医療は、まだまだ始まったばかりですから
数年後に劇的な変化が起こるわけではありません。
しかし10年、20年というスパンで見た場合に、今後はがん治療以外にも
ゲノム医療は活用されていくことが期待できるのです。
いつの間にかできているホクロって気になりませんか?
もしそのホクロが皮膚がんだったらと不安になることはないでしょうか。
他のホクロよりも大きかったりすると、大丈夫かな?と不安になるものです。

そこでホクロが皮膚がんかどうかを自分で検査できるアプリが搭乗しました。
それはスマホのカメラを使って皮膚がん検査するもので、「SkinVision」と言います。
このアプリを使うことで、誰でも簡単に皮膚がん検査ができるとあって、
不安を解消するために活用したいものです。

方法はいたって簡単、「SkinVision」を起動し気になる部分をスマホで撮影するだけです。
「SkinVision」が画像を解析して、皮膚がんの可能性を診断してくれます。
結果は低、中、高の三段階で得ることができ、それぞれ以下のようになります。
低:問題なし
中:不自然な兆候あり、要観察
高:病院で相談する必要あり

「SkinVision」を使ったチェックは年に2回ほど行うことが望ましいとされています。
皮膚がんは中々気が付きにくい病気の一つで、ホクロとの見分け方が
非常に難しいのでがんと診断を受けた時には皮膚以外の臓器に転移している可能性があります。
そのため早期発見が非常に重要ながんであり、「SkinVision」を使っての診断は
皮膚がんの早期発見に役立つものと言えるでしょう。

「SkinVision」は世界中で利用されており、実際に皮膚がん発見をした人がいます。
スマホで気軽にできるがん検査ですから、気になるホクロなどがあれば
怖がらずに進んでチェックしてみてはどうでしょうか。
アメリカの民間研究団体によって開発が進められている驚異の目薬があります。
それは暗闇でもモノが見える目薬で、人の目は暗くなることで見えにくくなる
という常識を大きく覆す目薬となっています。

現段階で製品化されているわけではなく、人での治験段階に入ったとしています。
どうして暗闇でもモノをはっきりと見ることができるのか、その秘密は
光感受性物質のCe6と言われる物質にあります。

Ce6は従来までガンの治療薬として使用されていた深海魚から抽出した光感受性物質ですが、
これを目薬として再開発し使用することで暗闇でも見えることを実現したのです。

ガン治療薬として使われていたことからも気になるのは副作用です。
直接点眼するということは、効果がすぐに表れるとともに副作用もダイレクトに
起こる可能性があると言えるでしょう。

そのために人での治験が行われているわけですが、この目薬の安全性が保障されれば
網膜色素変性症や腫瘍などでレーザー治療を受けた人の視力回復に役立つとされています。
通常の視力を持つ人が、これを使用して真っ暗の中でも暗視ゴーグルを着用しているような
見え方をするのであれば、より用途の幅が広がるのではと思われます。
ライトが無くてもわずかな光を集めて見えるようになるって、凄い革命のような気がします。

ただ、この目薬は医薬品になり処方されなければ使えないという制限があるでしょうから、
むやみに誰でも使えるというわけではないでしょう。
貴方がもし誰かに「治験に参加してみませんか?」と言われたらどうしますか?
治験に参加と言われてもピンとこない人も大勢いることでしょう。
治験が一般的に認知されるようになってきたとは言っても、まだまだ認知度でいえば
バイトのような感覚までは至っていないのが現実です。

そんな治験に参加してみませんか?と言われても「いや遠慮しておきます」と答える人が
殆どではないでしょうか。
逆に「是非参加します!」というような人は少数派になると思われます。
治験が稼げるからという理由で頻繁に参加しているような人は、100人中数人いれば
御の字のレベルだと言えます。

それに治験=人体実験というネガティブなイメージがあることも事実です。
実際には人体実験というほど安全性が担保されていないわけではありませんから、
人体実験ではないのですが根強く残っているのです。
何をするか分からない、体がおかしくなるかも、といったイメージについては
治験を行う製薬会社などが、もっとイメージ改善に向けた働きをしなければいけません。

治験は、社会にとって必要であり医学を進歩させ、維持していくためには不可欠であると。
そしてボランティアの協力なしでは成り立たない事、人体実験などではなく安全性を
可能な限り確保した上で実施されていることを周知しなければなりません。
そうなれば、治験に参加しませんか?と言われても、即答で断られることは少なくなるでしょう。
日本では海外の薬品が承認されるまでに時間がかかるケースがあります。
この問題をできるだけ回避するために取られるようになった処置が、ブリッジング試験です。
ブリッジング試験とは、海外で実施した治験データを活用することで、
国内における重複試験を避けて治験を行う方法です。
同じ試験を行わないので、承認取得までの時間が格段に短くなる効果があります。

海外での結果が日本人でも同じように認められるかどうかを確認する試験となるので、
無駄が省けると言うわけです。
海外と日本の治験を橋渡しすると言う意味から「ブリッジング試験」と言われています。

国内で最初から治験を行うとなれば、時間だけでなく膨大な費用が製薬会社の負担になります。
これに対しブリッジング試験では海外で行われた治験データを基本として実施するため、
費用負担が少なくて済みます。
そのため、製薬会社によってはブリッジング試験を適用するために、あえて海外の安い費用で
治験を行い国内にフィードバックするケースも見られるようになりました。

ブリッジング試験を活用して承認された薬で有名なのが、「バイアグラ」「リアップ」
などがあり、その効果は日本人でも証明されているのは周知の事実です。
これから先は日本で1から治験を行うのではなく、ブリッジング試験のような治験が
多くなるのは間違いないと言えるでしょう。
これによってドラッグラグが少しでも解消されるのであれば、どんどんと取り入れて
行くべきではないかと思います。
治験に参加するためには様々な条件をクリアしなければなりません。
その中でも一度治験を受けると休薬期間といって3か月程度は他の治験に
参加することができない決まりがあります。
これは治験で摂取した薬が体内に残っていると、治験データが正しく取れない可能性が
あることからの決まりです。

では治験薬とは別の薬をかかりつけの病院から処方されて服用している場合は、
治験を受けることはできないのかどう、これはケースバイケースと言えます。
服用している薬を治験薬と併用することで、治験で得られる効果に影響があれば
参加することはできません。
しかし併用することで問題なしとなった場合は、治験参加も可能になるケースがあります。

ただ、多くの場合で薬を服用していると、治験の最中に得られた症状やデータが
治験薬によるものなのか、服用している処方薬によるものなのかの判断ができなくなるので
併用したままの治験参加は厳しいと言っても良いでしょう。
よほど特殊な治験でないかぎりは、処方薬との併用で治験を進めることは難しいと思います。

稀に処方薬を服用していることを黙ったまま治験に参加する人がいますが、
これは絶対にやってはいけないことです。
黙ったまま参加して問題が発生しても、その責任は虚偽の報告をしたあなたに責任があり
治験を実施している製薬会社などには責任がないとされ補償など受けられなくなりますし、
将来に渡って治験に参加することができなくなります。
良くニュースで「○○のメカニズム解明により、新薬開発に繋がる可能性が出てきました」
といったようなフレーズを耳にすることがあるでしょう。
この新薬開発に繋がる可能性というニュースを度々耳にするわけですが、
それではメカニズムが解明されてから新薬が市販されるまでにどれだけの年数が掛かるのか、
そしてそれはどれぐらいの確率なのかを見てみましょう。

・メカニズム解明に有効な物質が新薬候補として最適化されるまで
メカニズムが解明されても、その解明に有効な物質が見つかるかどうかですが、
まず見つかる可能性は約50%程度と言われています。
メカニズムを解明しても、その半分ぐらいしか有効な物質が見つかりません。
そしてここまで来るのに、約4年半かかります。

・人を対象とした臨床試験を開始できるまで
対象となる物質を使い、様々な生物で毒性や薬効などを調べて、
人を対象としてリスクが少ないと判断されるタイミングです。
ここに到達する割合は30%程度で、物質が最適化されてから1年程度経過します。

・臨床試験をパスし、承認されて市販されるまで
臨床試験から認証されるまでの割合は4%程度と狭き門になります。
そして臨床試験開始から承認までに約8年が経過し、トータルでメカニズム解明から
13.5年を経過したことになります。

これは平均的な年数を表していますので、ケースによってはもっと長かったり
短かったりしますが、これだけの時間が掛かるわけです。
そして新薬として承認されるのはたったの4%となっており、非常に確率として
低いことがわかります。

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